君が望む永遠

エロゲーっていうと男の欲求を満たすためのものとばかり考えていたが、このゲームはシナリオが完璧でそれぞれに人の立場になって考えさせられるゲームである。
なんせヒロインが事故にあってそのまま3年眠り続けて、その間そのことで落ち込んだ主人公を支えてくれたもう一人のヒロインがいてどっちを選ぶか+αという重い設定かつシナリオで感動して更には泣いてしまうエロゲーがあるなんとことは考えられなかった。
この作品も出てから随分たつけど、悪評どおり主人公がヘタレなのとキャラの絵があまり好きじゃない(特に水月、あゆ)を除けばやってよかったと思う。

  • 第1章

1本道ストーリーでシナリオがいい普通のラブコメディーで水月、孝之、慎二の会話は面白かった。
それとチラッと登場した恐怖の女王マナマナ!あとでこんな人間だったとは思はなかった。
そんなこんなで笑いもとりながら順調に遥と孝之が付き合い始めるわけです。
遥は控えめな性格でありながら、好きな人の前ではチラッとかわいい素振りを魅せる自分の理想系そのものな人間なんだよ。(第1章の遥は最高だったな)
と自分ものほほんとして主人公も遥をたべちゃってうらやましいなとかおもって、すこしたったら、急に事故が起こって「白陵大付属学園3年・・・・涼宮遥・・・・」そこでOP!このときは体が奮えたよ、この演出は反則だね。

というわけで第2章突入!

  • 第2章(遥、水月エンド主体)

まず水月と孝之が付き合ってたのがびっくり。そしてなにより3年前は明るかった茜(遥の妹)が変わってしまってる!(厳密に言えば水月もねちっこい暗い女になってしまった)しかも、遥が目を覚まして孝之や水月が病院へ行った時、孝之や水月に対してその二人が付き合ってることで遥を裏切ったと思い続け罵声を浴びせてくる。
最初僕は茜が大人っぽく成長して、自分の考えを例え冷酷であっても納得の出来るようにいえる人間になったのだと思っていたが、設定が主人公たちよりも3年下ということもあって主人公たち(主人公はただのヘタレだが)よりもまだ考え方が幼いんだなぁということが台詞をよめば分かる。
うって代わってすかいてんぷるのあゆとまゆ。あゆと主人公の絡みは面白いが、あの人に対して犬畜生以下だとかあんですと〜〜とか発する言葉や自己中な性格は嫌いだぁ〜〜〜。
といいつつその対象が主人公だから犬畜生以下、糞虫とかの言葉を発するのは気持ちがいい。
まゆは茜並みに好き、あの江戸っ子的な言葉遣いといい、あのかわいい絵といい、茜がカスミンの声じゃなかったらまゆのほうがいいくらいだ。あと店長は素晴らしい。
といったサブキャラありで、全体に暗い2章を和ませてくれる。
それで本編はうじうじした4人(遥、孝之、茜、水月)で主人公が遥が優しくすれば遥に動いたり、水月がHしよっていえば水月に動いたり、茜がこくればそれにのったり、中盤はそんな主人公に腹を立てながらもモニターを割らずに堪えてみてたわけです。

水月のよさよりも、あのヘタレのあいまいさを断ち切り孝之との別れをきっぱりと決める姿、リハビリで1日も早く空白の3年間を取り戻すあの姿は感動した(それまでの第2章での遥はうじうじで飽きてきた)、それで水月と一緒になり、偶然孝之が見つけた遥がかいた絵本を遥の声で読み上げ、BGMでエンディングが流れてくる。それを思い出しただけで涙が出てくる。これこそがきみのぞ本当のストーリーなんだと思った。

  • 遥エンド

こちらは遥に完全に心を奪われた孝之を知り、丘の上で別れを告げる場面はまさに感動モノだった、
そして水月は孝之も下を離れ他の地で自分の人生を考えるというどちらにしろ別れた方がむしろ幸せになったのではないか(水月エンドではその後遥が絵本作家になった)と思った。
水月との別れはすっきりしたものはあったが、急に遙に心を変えてしまって煮え切らない終わり方である。

  • おわりに

他のエンドも素晴らしい(特に天川エンド)ものがおおいが、筋の通った終わり方は上の2つだと思う。
まあ逆にマナマナは主人公がヘタレだけにありだが。
あと茜がいい理由は自分の気持ちを押し殺しても主人公に一途ところ他はどうしていいんだろうな自分でも分からない。
この作品は大好きなモーレツオトナ帝国や、20世紀少年とはジャンルが違うものの、過去ばかりを負って生きていくのではなく過去は過去の思い出としてこれからをしっかり生きていかなければいけないという上記2作品と似た趣旨を持っていると思う。
そういった意味でも過去の人(遥)ではなく、現在まで支えてくれた人(水月)をとるのが真のエンドだと思った。